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冬の野原で虫たちがかくれんぼ (大人対象、自然観察・体験ガイド講習会用)

みーつけた!

目的

1.冬の野原に生息する昆虫を調べることで、その場所の特徴を知ることができる。

2.見つけた昆虫を観察することで、昆虫たちの時間的な住み分け、越冬の戦略が分かる。

3.環境の変化により、昆虫たちはどうなるのかを考える。 人との関連を考える。 それらのことが、自然を大切にしようと思う様々な行動につながる。

基本的に実際に体験してもらうことを重視し、地元に帰ってからその体験を応用し、自分自身で自然観察のプログラムをたてて実践できるスキルを身につけてもらう。

 

内容とフロー(淡路景観園芸学校でのNACS-J自然観察指導員講習会での内容):

1.えっ、虫? 大辞泉での定義。昆虫は全生物種の半分。昆虫の動物系統樹における位置、分布、淡路島の特徴:

− 県他地域でBランクだが、淡路島では貴重種Aランクのタガメのような昆虫がいる。

− 400万年から100万年くらい前に、本土から隔離された離島。

− 低い丘陵地の開発や農薬の継続的使用が行われている。

以上を踏まえると、淡路島は限られた空間であり、一度環境を壊してしまうと元に戻らない危険性が高い。 淡路島で見られる虫たちは400万年前くらい前まで、六甲山系とつながっていたものであり、種によっては貴重種となりえることをイメージしながら今回の虫探しをしよう。

2.昆虫を探すこと観察することとは。それも、冬に? おれへんのちゃうん。 (だまされたと思ってやってみて) かくれんぼしている虫たちを探そう! ちょっと練習。(ホシハラビロヘリカメムシが草むらに隠れている写真を見せる)→ 見えなかったものが見えてくる。 見つけたら、よく観察してみよう。(観察して発見することの面白さを考える)

3.何が見つかった? ということは、ここの場所は? 同じ草地は草地でも、どんな草地? どうやって調べてみればいいだろう?

4.どうしてた? ということは今は何してるの。 他の季節にはどうしてる。 その時周りの環境は、他の虫たちは、動物たちは?

5.越冬ってなんだ? 体験してみよう。 実験してみよう。 人間の冬の過ごし方とどう違う?

寒い冬でももっと虫たちが飛んだり跳ねたりしていたらいいのに! だけど寒いと動けないよね。 (ガラス管にヒシバッタを入れた物を見せる。 1つは暖め、1つは冷やしておく。) 虫たちは体が小さいからね。 (猫の絵をつけた大きいPETボトルとカブトムシの絵をつけた小さい容器に湯を入れて、冷ましてみる。) 冷えやすいから、虫たちはミツバチのように暖めたり、寒い時は冬眠したりするんだ。 ミツバチみたいにしてみよう。(ツエルトに何人かで入ってみる) 冬眠していても凍ってしまわないようになっているんだ。 (水を入れた2本のガラス管に、1つはグリセリンを少したらし、もう1つはそのままで、塩をかけた氷で冷やす。)

6.環境が変わったらどうなるの? そもそもその変化ってわかるの? 植物の遷移による? 人為的? 人への影響は? どうする? (探すことで分かったこと観察することで分かったこと、発見があったか、人とのかかわりを考えてみる。 自分が指導員の場合にどうしたらいいかを考える)

7.プログラム開発と実施のしかたのまとめ。(復習を促す。 そのための資料を配る)

準備物

□ 塩、氷、クーラー □ プログラム開発と実施の仕方まとめ
□ 説明用紙芝居 □ 見つかった虫を入れるシャーレ
□ 温度計 □ 学校の机(1台)
□ 水を入れた容器 □ ガラス管4本
□ グリセリン □ コンロ一式(ボンベ含む)
□ ツエルト  

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プログラムの様子

日本自然保護協会 自然観察指導員講習会@兵庫県立淡路景観園芸学校にて(2009年11月27日〜11月29日):

  

フィールド(実際には1年前の最初の下見のときのものです)

  

ホシハラビロヘリカメムシ。 ナナホシテントウ。

  

拡大するとわかる

  

 

  

最終日の実習の様子。 紅葉が美しかった。

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